東京、サンフランシスコ、香港

どうも、来年卒業する香港人の大学生です。東京、サンフランシスコ、香港でも仕事したことあるので感想を書いてみたいと思います。仕事はすべてプログラミングで、内容は frontend / backend / iOS App / Mac App です。

卒業すらしてないわたしが見える世界は決して広くはないので、あくまで個人 的な感想としてみんなの参考になれればと思います。

東京

東京の会社と初めて仕事をする時は真面目さにびっくりしました。人が真面目というよりも、いろいろ細かいです。小さい会社なのにドキュメントの管理、デプロイ方法の説明、会議記録、仕様書とかすごい詳しく書かれてます。今考えればデプロイスクリプトを書くほうがいいじゃないかな。

礼儀正しいところもすごい特別なところで、香港のほとんどの店は0.1ドルの硬貨を使えないけど(面倒臭いから)、日本はどこの店でも1円硬貨を使えます。香港のタクシーは運転手都合で客を断るけど(近すぎるだと断れるとか)、日本にはありえないです。三年前か、秋葉原駅のコインロッカーに荷物を預けたけど、電車を乗るつもりはないが、駅に入って荷物を取りたいと駅員さんに伝いたらなんの確認もせつ普通に中に行かせてもらいました、なんか人間を信用する感じがします。

客として日本にいるのは楽しいけど、実際に仕事する時は礼儀を気を付けないといけないからとってもひやひやします。初めてビジネスメールを送る時は文法をチェックするため二時間もかかりました。敬語は難しい。(外人だから間違っても許されるだろうけどちゃんとやってみたい)そしてみんなのメールもきちんとしてるから、本当に敬意があるか、それとも建前なのかを判別するのすごい難しいと思います。

日本人は私の中では「礼儀正しい、ルールを守る」ってイメージがあるけど、よく見たらそれは周りの人の視線を気にするだけかもしれない。例えば周りの人みんなルールを守るなら私も守らないといけないっていう感じで、社会から離れる、追い出されるように周りの人を見る、真似する。

残業は良い例でしょう。日本においては残業はとっても普通なことで、法律的にダメだと言っても残業は普通にあるし。残業は当たり前のことで、残業しないことは仲間外れということです。法律的にやばいほど残業した友達がいますが、これを政府にバレると会社がまずいので、彼は自ら残業時間を修正しました。ああいう状態で彼はそうするしかなかった、みんなもそうだから。空気を読むこと、他人の考えを推測することはどうしても自分の価値観と立場から離れないから、他人に縛られるよりも自分に縛られる気がする。もしかしたらみんな帰りたいけど、その場の空気は帰れない空気だからどうしようもない。私がいる会社はまだ小さいから残業はそんなにひどくないが、大体10時で帰れる感じですね。

日本人は内向的です。沢山の人は英語を避けようとしてて、東京でもそうです。 (香港も人を言う資格はないかもしれないけど)だから海外から情報を得たい時は難しく、最初から海外を見ることも少ないと思います。

プログラミング関係の話はよく英語の専門用語を使うし、新しい技術も日本語のドキュメントがないです、だから検索する時英語を使うほうが効率がいいです。でも日本人はもちろん日本語に慣れたから検索する時はつい日本語で検索しちゃう、英語もできれば避けたいから、欲しい情報にたどり着くまで時間がかかる、勉強も遅くなる。同じバグに何時間もかかった友達がいますが、私はそれを英語で検索したら、stackoverflow に同じバグにあった人がいるのを見つけた、もちろんそこに解決策も書いてる。勉強においてもそうです、Meteor というすごいフレームワークを友達に紹介しましたが、彼はhello worldを思った以上に時間かかった。聞いてみたらどうやら彼は日本語で検索して、いろいろやってみたらしいですが、このフレームワークはまだ使う人が多くないから日本語の資料は2年前のしかなかったです。JSという日々変わってる世界では2年前の資料はほぼ使い物にならないから、古くて使えない情報が混ぜていて勉強の効率を落としたでしょう。

勉強する気があっても、言語のせいで人より倍の努力をしないといけない。これは残念なことですがどうしようもない。逆に日本語ドキュメントが充実してるRailsの開発を見れば、これ技術的な問題ではないことがわかる。

うちはノベルゲームサイトを運営する会社ですが、サイトは最初は完全に日本語で英語はまったくないです。これは日本の会社のとって普通かもしれないですが、私は英語版がないと海外に手を伸ばせないといつも思ってた。そして簡単な英語版サイトを作ったら、意外と人が来ることになった。日本語のドキュメントしかないからやっぱり自分のエンジンを紹介できても、使ってもらえないでしょうけど、これは自己紹介すらできないよりはマシと思う。海外に展開する、翻訳するなどは簡単じゃないのはわかるが、そこまで不可能なことでもない、やればなんとかなるということを伝いたい。

沢山の日本人は安定してる仕事を求めてるように見える、公務員が一番いい。一生同じ会社で働くのもよくある。良いか悪いかはともたく、これは香港にもアメリカにもない文化です。確かに会社がかばってくれるからいろいろ安心はするけど、同時に卒業する同時に人生を決めなければならないから間違ったら後悔しそう。転職も難しいし、このシステムにハマったらもう逃げ出せない感じがする。Startupや技術界隈においてはこの問題がないから助かる、しかも外国人の私には適用しないから。でも安定してる仕事を求めるならいろいろ諦めなければならない、趣味や熱情とかを仕事には持っていかない。仕事は好きではない代わりに、仕事以外の時間は趣味に使う、絵を描いたりゲームを作ったり、同人活動とか。そういう活動では本当の名前使わないし、仕事にも関わらないようにしている。

東京で一人暮らしのはよくあることで、外国人の私が部屋を探すのはちょっとめんどいかもしれないけど、生活ならそんなに難しくはないはず。


サンフランシスコ

綺麗な環境、気持ちいい天気、あとビルは東京と香港より少ない。ここの生活リズムは東京と香港よりリラックスしていて、心地いいカフェも沢山ある、平均退勤時間も香港と東京より早い(残業はなくはない、インターンの私でも夜1時まで残業させることはある)。ここの人は外向的で、よく知らない人に声かけられます、Xcodeを使ってるのを見て声を掛けてくるiOS developerとか、私のかわいいノーパソを見て話しかけたオタクとか。遠慮せず思ったことをそのまま話すから、建前なのかを考えなくてもいいから私的には楽です。もちろんこころの準備がなければ直接的すぎな言葉に傷つけられるかも。

特にうちの会社の人はすごい自信持ってるから、はっきりではないのにOf course, this must be the only wayとかを言い、反対の意見があったらyeahbut で無理やり勢いで突破しようとしてた。

最初はすごく慣れなかった、人に対してマナーがない、でも一緒に仕事をするとそれはただ彼達の処世術とわかった。もし私がなにかを反対したければ彼たちみたいにすごい自信で張り合えばいい。もし日本は譲り合いで平均を保つならここは押し合いで平均を保ってるでしょう。

あと一つがっかりなところがあって、それはいろんなことに対しての優先順位が想像と結構違う。甘いと思われるだろうけど、会社は利益だけ考えるべきではないと思う、でもこの会社は本当に金大好きということがわかった。

I don’t care about users, I care about Googlebot.

私たちはオープンソースプログジェットを使ってますが、そのライブラリーにバグを見つけたけど、プルリクエストを送ろうとすると阻止された。理由は:

  1. 競争相手は私たちのプルリクエストで「なにを作ってるのか」を推測できる
  2. もし競争相手も同じものを作ってたら私たちは彼たちを手伝ったことになる

同じ理由で参考になったstackoverflowのリンクをシェアしてはいけないです。論理的には間違ってないけど、これは完全に自分しか考えてないです、これが彼たちのやりかたらしい。

ところでプログジェットの進捗は思ったより遅かった。そしてCTOは競争相手の HTML / CSS / JSを全部、100%コピーしてきて、そしてコードにあるキーワードを全部自分の会社の名前に置き換えて、私に「今週中にこのコードにあの機能をつけて投資者に見せるぞ」って言った。つい子供の頃のできことを思い出しました。小五の頃exobudというウエブページに付けるミュージックプレイヤーにハマったけど、自分のサイトに他人の名前があるのは格好悪いと思うからソースコードにあるクレジットを全部自分の名前にした。中学生になったらもちろんそんなことはもうしないけど、意外とその会社はやるんですね。

Andy OS

東京にいた時は日本人は国内のマーケットしか見てない、視野が狭いと思ったけど、意外とサンフランシスコも似てるかもしれない。例えばうちの会社は日本のマーケットのデカさを理解できない(モンスターストライクはそんなに儲けるわけない、と)、英語しかできないCEOもIMEの重要性を理解できないし。でも彼たちは運がいい、でかいマーケットに生まれて、スタートアップ界も中心にいて、周りにvcが沢山いる環境にいる。外国語を勉強しなくても問題ないし、英語できる人多いからな。

スタートアップと言えば、私はずっとスタートアップ文化っていうのはなんなんのかを分からなかった、こっちに来てから気づいたのは、簡単に言えばたくさんの人は自信を持って自分のプロダクトを作って、もし投資してもらえたら、ついでに成功できたら一番いいなーって感じ。私が住んでたところに少なくてもスタートアップが三つ誕生してる、大学を辞めてサイト作ってる人たち、このへんでインターンやりながら自分のアプリのUIをデザインしてる人、毎日投資者に自分のイデアをピッチングする人たち。みんなは夢があるだけじゃなくてちゃんと実行する、そして周りの人もそれを応援してる、これは確かに他のところにはないことです。日本と違って、興味を仕事にすることにあんまり躊躇がない、夢を追うため同人ではなく会社を作ることが多いです。

サンフランシスコにmeetupが沢山あるんです、香港と東京よりも多いと思います、いろんな人を知るにはすごいいい機会と思う。私は最初技術的な話しをしようとしてmeetupに行ったんですが、意外と技術的はすごい普通だった。NSMeetupに行った時はすごい深い話題を聞きたかったけど、実際はToday Extensionの作り方でした、Fabric Meetupもapiを紹介するだけで、勉強したければGoogleで適当に検索して勉強すればいいです。だから重要なのはそこでいろんな人と話し合う機会かな、実際にプログラマーを募集してる人もいたし、この業界についての話しとか、フレームワークの話しとか、このへんの美味しい食べ物の話しとか。サンフランシスコは投資をもらうためにはいいところですが、技術を勉強するなら世界中のどこでも変わらないと思った、一番大事なのはやっぱ勉強したい考えかな。

ここの給料は高いですけど、物価は高いし、家賃もとんでもなく高いから、税を引いたらプログラマーは普通に生活できるくらいと思う、すごい贅沢な生活は過ごせないですね。


香港

香港生まれで初めての仕事も香港にあったから、先入観であれは主流と勘違いすることもあるけど、他のところに行ったことでここをもっと客観的に香港の特別なところを見つけたらいいなと思います。

香港人は自然に海外を見る。サイトやアプリを作る時は英語をデフォルトにするけど、それは英語が得意というよりも、英語のほうがユーザーが多いからです。多言語対応するための準備も早めにやるし、台湾人と中国人には中国語を使い、外国人には英語を使う。成果を得るため一番いい言語に切り替える感じです。

これは香港が小さいと関係あると思う。日本人は仕事や勉強のため東京に行くし、アメリカならベイエリアやニューヨークに行くけど、香港にはこういう「外国ではないけどもっとチャンスがあることろ」がないです。だからどっか行くならいきなり外国になっちゃう。これは仕事に限らず、勉強もそうです。何年か前香港に新しい試験のシステムがあったけど、そんな新しいものに自分の未来を託したくない人は外国に逃げます、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダとかもよくある。成績がよくない、あるいは香港の大学だと満足できない人は普通に外国に行っちゃうから、私にとって外国っていうのはそんなに遠いことろじゃないです。

香港での仕事経験は全部ツイッターから見つかったけど、これはすごい珍しいことです。働いてたスタートアップはすべていいところで、通勤時間に制限がない、事務所に猫を飼ってる会社もあって、すごい幸せです。同僚たちは技術的にすごいだけじゃなくて、技術の流行りにも敏感で新しいフレームワークや仕事のワークフローとかがあったらすぐ導入するのを検討する。でもこういうところはわりと珍しいと思う、私は運がいいだけです。友達は伝統的な会社のIT部門に入って、とってもづらいし、つまらないしって言ってた。高校卒業する時この香港でITやっては未来がない文章を読んで未来にすごい不安だったけど、いまは環境の問題だけじゃなくて、人にも問題があると思う。

香港人は目標や夢があんまりないです、とりあえず金のあるところに向かう感じで、例えば弁護士、投資銀行の仕事、会計士とか。そしてIT界隈には他の仕事が見つからないからITにするしかない人ばっかで、あとはdot comバブルの時、ITはめちゃ稼ぐと騙された人ですね。今は人手不足で給料がわりと高いから、それで進路をITにする人が増えると思う。私の計算機科学の同級生はだいたい大学に入る前にプログラミングをまったくやったことがないです、成績がちょうど他のもっと稼ぐ学科を選べないから計算機科学にしただけで、興味もなにもないです。だから香港で技術の仕事をやると、いつも「できるだけ技術のポジションを脱離して、管理職にやるほうが未来がある」という考え方がある。彼たちは最初から自分の仕事を楽しめないっぽい。

もし日本人は夢と仕事を分けるっていうなら(だいたい夢を追う途中、現実に潰れちゃうけど)、サンフランシスコのほうは人が夢を追うのを応援するなら、香港は最初から夢があんまりないところで、悲しいです。まあ、こともの頃からいい学校に入るため楽器を勉強させられた子供に夢もクソもないのもわかる。

香港は家賃が高い、その割に給料はサンフランシスコよりずっと低いから、一人暮らしはとっても難しい。結婚しても親と住む人は結構いますし、これは困ることです。


卒業したらなにをやるのかをまったく決めてないです、違うところに違う文化がある、いろんな選択肢はあるけど、きっとどっちでも正解でしょう、でも選ぶのはやっぱ難しいです。